すごくとおいむかしの話多分音大受験に向けて猛レッスンをしていた時のこと。その頃は、フルートのレッスン、ピアノのレッスン、ソルフェージュ、聴音、家庭教師、部活(吹奏楽)に時間を費やしていた。ピアノとソルフェージュと、聴音は私にフルートを吹くことを薦めてくれた恩師が多忙な時間を削って多くの時間を指導に充ててくれた。隙間時間には息抜きにとドライブに連れていってもらったり、ボーリングを教わったり「仮免許取...
すごくとおいむかしの話
多分音大受験に向けて猛レッスンをしていた時のこと。
その頃は、フルートのレッスン、ピアノのレッスン、ソルフェージュ、聴音、
家庭教師、部活(吹奏楽)に時間を費やしていた。
ピアノとソルフェージュと、聴音は私にフルートを吹くことを薦めてくれた恩師が
多忙な時間を削って多くの時間を指導に充ててくれた。
隙間時間には息抜きにとドライブに連れていってもらったり、ボーリングを教わったり
「仮免許取得中」をつけて先生の車を運転したこともあったっけ。
ある時、ウイリアムテル序曲のリズムがわからなくて、
(今ならたくさんの音源があり、すぐにショップでもネットでも探して聴くことができるが、
その頃はレコードかCDか…音源を探すのも大変だったのだ)
でもフルートのレッスンが迫っていたので
恩師に相談したところ、ここで吹いてみなさいと言われた。
32分音符や複付点音符なんてのも沢山ある曲だった。
リズムがなかなかとれなくて、四苦八苦した。
フルートをソプラノリコーダーに持ち替えて吹かされた。
どれくらい指導の時間があったか、すっかり忘れてしまったが
迫り来ていたはずのレッスン時にその曲はなんなく一発で合格してしまった。
なんなく合格してしまったからこそ、その曲を習得するまでに
レッスンしてもらっていたこと、をも、忘れていた。
忘却とは恐ろしい。
そのレッスンの最後に恩師は「何かが足りないんだよな。。。多分歌心かな。」
「どうやったら歌心をつけられるの?」(恐るべしため口)
「もしかしたら…恋かな。うん。そうだ。恋をしなさい!」
「…」
とにかく恋を薦められたのだ。(笑)
先生には言わなかったが、その時私にはつきあっている彼氏がいた。
だけど、多分そういうことでもない、ってうすうす感じていた。
そのころから随分と長い時間を経てしまった。
果たして
いまの私には歌心が身についたのだろうか
大人になってしまった今、師の云わんとしていたことを
今の私ならなんと表現するだろうか